それなのに父性社会で成り立っている欧米諸国の教育を日本は取り入れ
それが主流になっているので子どもや保護者の問題が起きてしまうのではないでしょうか。
先ず、父性と母性を考えてみたいと思います。
父性は何かというと「社会性」にあたると思います。
Wikipediaを参照すると父性について下記のように説明されています。
父性(ふせい)とは、子育てにおいて、父親に期待される資質のこと。子供を社会化していくように作動する能力と機能である。母性とは異なる質の能力と機能とをいうことが多い。母性が子供の欲求を受け止め満たして子供を包み込んでいくことを指すのに対して、父性というのは子供に忍耐・規範(社会的ルールや道徳)を教え、子供を責任主体として振るまうようにし、理想を示すものである。(引用wikipedia より)
親子関係以外でみていくと「社会ルールや道徳」を教えていく事を指しているのです。
欧米諸国は父性が強い社会です。小さいころから親子は別に寝、親子であろうとも別々の人間と小さいころから子どもに教育していきます。社会ルールを小さいころから叩き込まれていくのですね。子どもにとっては厳しい環境です。だからこそ「褒める」が重要となり積極的に褒めて育てる事を行っていくと言われています。
では、日本の教育はどうでしょうか。物理的にも精神的にも母性社会ですね。
母性とは何かということを考えると「優しさ」になるのではないでしょうか。
心理学者の河合隼雄氏は下記のように述べています。
子育てにおける伝統的な父母の役割の違いを、それぞれを父性的、母性的と呼び、父性は善と悪を区別して指導する傾向、母性は善悪の分け隔てなくすべてを包み込む傾向のこと。母性が強い日本の社会では子どもに社会性よりも協調性や優しさを教える傾向が強いのではないでしょうか。空気を読むということが重要視されるのも母性社会の傾向が強く出ている結果だと思います。その傾向が強いにもかかわらず昨今は「褒める」を行う教育が多くなってきているように感じます。
褒めるはとても重要です。否定しているわけではないのです。ただし、日本の社会背景と文化背景を考えるとこの傾向が強くなるほどデメリットが強調されてしまうように感じます。それは優しさをベースとしているのにさらに「褒める」をすると「社会性」を学ぶ機会が少なくなってしまうという事が考えられるからです。
元々、優しさがベースとなっている社会で褒めるばかりが多くなるとバランスが悪くなり強さが少なくなってしまいます。
このように教育においては両論される事が少なくなってきており、どちらか一方の考え方に偏ってしまう傾向が強くなってきていると思います。(だから褒めるばかりが強調されてしまう)
例えば子育ては「母乳でなければいけない」、「三つ子の魂百まで」、「小さいうちは母親がそばにいなくてはいけない」というように「べき」「そうでなければいけない」等が多すぎるように感じます。
通常の社会ではこういった事は少ないはずです。メリット・デメリトとを両サイドから考慮したり、両論併記をしたりしているはずなのですが、子育や教育になったとたんに極論に走りがちなのです。
もう少し大らかに構える必要があるのでしょうが、子育て・教育事情を考えるとお母さんたちに気持ちの余裕が持てない社会になっているのではと痛切に感じます。
母親になったとたんに「聖人」にならなければいけないような環境こそが子育て・教育に悪影響を与えてしまうと思います。
父性と母性どちらかが正しいのではなくバランスよく子ども達に伝えていく事が重要なのです。
そろそろ、欧米諸国の受け売りを止めて日本の社会、文化背景に応じた子育てを模索しても良い時代が来たのではないでしょうか。
父性は男性だけが持っているわけではないと思います。社会性を持った女性でも良いのです。大人がこれからの子ども達に両方の考えを伝えられれば結果として良いのではないでしょうか。
生きる力を強くする為にはどちらの考えも非常に重要なのです。だからこそ偏った考えでなくもう少し大らかになり「べき」から解放されると次世代の教育がもっと発展していくのではと感じています。
0 件のコメント:
コメントを投稿