
ピアノを習っていると、先生から「コンクールを受けてみないか?」 と言われる生徒さんもいらっしゃると思います。 「コンクールなんてまだまだ。」「音楽の道に進むわけではないから。」 様々な思いがあると思います。
では、なぜ先生はコンクールを受けてみないかと提案をするのでしょう?
もちろんその子の技術が進歩して力を試してみるという事も1つありますが、何よりも「本番でしか得られないものがある」という事が最大の理由です。コンクールを受けるという事は、決められた期日までに決められた課題をこなさなくてはなりません。 しかも、それは中途半端なものではなく最大限、いや、それ以上の努力をしなければならないという課題がもれなく付いてくるのです。
普段、ピアノのレッスンというのは人と比べることなく個人のペースで進んでいます。
しかし、いったんコンクールを受けるとなるとそれなりのレベルの曲を同じ年代のライバルたちと競う事になるのです。 ほとんどのコンクールには課題曲というものがあります。指定された楽曲の中から選んで演奏するのですが、 ほぼ100パーセントと言っていいほど自分で選んだ曲を、他の誰かが同じ会場で演奏するのです。 そうなってくるといかに良い点数を取って賞(評価)をもらうか(次回詳しく説明しますが、決して賞をもらう事をコンクールを受ける目的としてはいけません。
ここでは自分に打ち勝つための目標としてこの事を設定しています) という事のために、細部にまでこだわって自分なりの演奏を作り上げて行くという事が必要になってくるのです。
すると、本番の日に最高の演奏をするためにはいつまでに譜読みを終わらせて、いつまでに目標のテンポで弾けるように…などと逆算して計画していかなければなりません。また、細かいリズムや複雑なリズムを正確に刻むために細かいところまでリズム練習をしたり、 強弱や表現をつけていくために細部にわたりアナリーゼ(曲の分析)をします。 そしてそれを毎日継続して練習して指に覚えさせる事によって、自分の演奏をたった一回の本番で最大限出し切るというゴールを目指すのです。
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